私が勤めている学童保育では、定期的に避難訓練を行っています。
実際に地震や火災などの災害が起こった時、子どもたちや指導員が安全に避難できるよう、避難訓練の方法、子どもたちに避難訓練の大切さを伝えるコツをお伝えします。
避難訓練の方法
避難訓練の目的
まずは、避難訓練の目的とは何かを確認しておきましょう。
避難訓練の一番の目的は、実際に災害が起こった時に「子どもが安全に避難できるよう避難方法を覚えること」です。
また、「指導員は避難方法・子どもたちへの指示を確認すること」が目的です。
小学校でも避難訓練を行っていますが、放課後の学童保育でも災害が起こった時に慌てずに落ち着いて、指導員の指示にしっかり従って行動できるよう、定期的な避難訓練は欠かせません。
私の学童では、災害や非常時に「誰がどのような行動を取るか」指導員の役割分担を決めています。
例えば、
- 子どもの安全確保、子とも・指導員に指示する
- 避難場所に子どもたちを誘導し点呼する
- 部屋内で逃げ遅れた子どもの有無を確認
- 救急用具を持ち出し救護にあたる
などです。常勤の指導員がこれらの役割を分担し、常勤でない指導員は避難経路に分かれて立ち、子どもたちが落ち着いて避難できるよう見守ります。
地震・火災を想定した避難訓練は定期的に行っています。
いつ起こるか分からない災害に対応できるよう、「室内にいる時」だけでなく「外遊びをしている時」の想定でも避難訓練を行っています。
地震の避難訓練
地震が発生した時、下記の流れて避難を行います。
- テーブルの下に頭を隠して守り、揺れが収まるまで待つ
- 落下物や割れた窓ガラスが落ちていない所に移動
- 窓やドアを開け、避難経路を確保する
- 電気のブレーカーを落とし、ガスの元栓を締める
- 避難の準備ができたら、子どもたちを避難場所に誘導
揺れを感じたら、すぐに机の下に隠れるよう指示します。
小学校では自分の机の下に身を隠すことができますが、学童保育では6人が1つの折りたたみテーブルを使っています。
6人全員がテーブルの下に隠れることが出来ないため、頭だけ机の下に隠すように指導しています。
「外遊びをしている時」に地震が起った場合、部屋に戻るのは危険ですので、外で遊んでいる時は運動場の真ん中に集まるように教えています。
火災の避難訓練
火災が起った時、一番先に確認すべきは出火元です。
子どもたちを出火元からできるだけ遠ざけ、速やかに避難させます。
火災で命を落とす人の多くは、火傷によるものより「煙」を吸うことによる一酸化炭素中毒・窒息が原因だと言われています。
避難訓練の時は、各自のハンカチで口を押さえ、煙を吸わないように体を低くして、速やかに避難します。
濡れたハンカチの方が良いそうですが、水に濡らしていて遅れてしまうより、速やかに外に避難する方が大事だと考えています。
ハンカチを忘れた子は、着ている服の一部(裾や袖など)で口を押さえます。
避難訓練の大切さ
お・は・し・も
地震や火事などの避難訓練の際、子どもたちと約束していることがあります。
それは、子どものための避難標語となっている「お・は・し・も」です。
- お 押さない
- は 走らない
- し 喋らない
- も 戻らない
小学校でも習っていると思いますが、学童保育でも災害が起った時には「おはしも」を必ず守るように指導しています。
1学期の避難訓練では、一年生にとって初めての学童保育での避難訓練になります。
どうして「お・は・し・も」がダメなのか、きちんと説明してから避難訓練を行っています。
また、普段から子どもたちの目に触れるよう、学童の部屋の壁に「おはしもの約束」を大きく書いて掲示しています。
いか・の・お・す・し
私の学童では、災害の避難訓練のほか「不審者対応訓練」も行っています。
不審者が学童の敷地内に現れたことを想定しての訓練です。
子どもの安全確保する、警察に通報する、近隣に助けを求めるなど、災害の避難訓練と同様に、指導員の役割分担を決めています。
学童にいる時以外にも、学校の行きや学童の帰り道、外で遊んでいる時など、子ども自身が防犯の意識を持つため、災害時の「お・は・し・も」と合せて「5つの約束」をしています。
それは、子どもの安全を守るための防犯標語「いか・の・お・す・し」です。
- いか 行かない
- の 乗らない
- お 大きな声を出す
- す すぐ逃げる
- し 知らせる
・知らない人について「いか」ない
・知らない人の車に「の」らない
・助けて!と「お」おきな声で叫ぶ
・怖いことがあったら「す」ぐ逃げる
・大人の人に「し」らせる
子どもが不審者から自分の身を守るための標語として知られています。
学童の部屋の壁には「おはしもの約束」の隣に「いかのおすしの約束」を並べて掲示しています。
まとめ
今回は、学童保育での避難訓練の方法と子供に大切さを伝えるコツをお伝えしました。
定期的に避難訓練を行うことで、子どもたちも指導員も、災害が起った時にどうすればいいのかを前もって知り、慣れておくことはとても大事なことだと思います。
避難訓練の目的は
- 子どもが「安全に避難できるよう避難方法を覚えること」
- 指導員は「避難方法・子どもたちへの指示を確認すること」
子どもたちを守るための約束
- 避難標語「おはしも」
- 防犯標語「いかのおすし」
私た避難訓練の大切さを子どもがすぐに理解するのは難しいかも知れませんが、定期的に避難訓練を行い、その度に大切さを伝え、防災意識を高めて欲しいと願っています。